医療法人財団献心会 川越胃腸病院 TEL:049-225-6888(代)eメールはhospital@kib.or.jpまで

当院の診療対象となる疾患

W膵臓の疾患

1)急性膵炎
 急性膵炎とは、種々の原因により膵臓自体の防御機構が破壊されて、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エラスターゼなどの膵酵素が膵臓の細胞周囲の組織に漏れ出して膵臓の自己消化を起こし、膵実質の破壊、脂肪壊死、膵出血などをきたす疾患です。膵臓のみならず、周囲の消化管、腎臓や肝臓、心臓、肺、脳などにも影響が及び、ショック、腎不全、呼吸不全などを引き起こし死亡率も高い、きわめて重篤な疾患です。
 急性膵炎の原因としては、胆石症、胆道炎、脂肪分の過食、アルコールの長期摂取や過剰摂取、腹部外傷、腹部手術、慢性膵炎、膵嚢胞、膵臓がん、などさまざまのものがありますが、胆石症とアルコール摂取が二大成因として重要です。
 胆石が胆管内で嵌頓したり、胆道の炎症を併発して膵液の出口をふさぐと膵液のうっ滞、胆汁などの膵管内逆流を起こすために生じます。また、アルコールは胃酸分泌を亢進させ、膵臓の分泌機能を亢進させるためと考えられています。食生活の欧米化、アルコール摂取量の増加に伴って近年増加傾向にあります。30〜50歳代の人に多く、胆石症によるものは女性に、アルコールによるものは男性に多いようです。
 心窩部痛と背部痛が特徴で、腹痛は、膵炎発症時より徐々に増悪して数時間で持続する激痛となります。吐きけ、嘔吐も伴うことがあります。
 検査としては、血液と尿中のアミラーゼの測定をします。さらに超音波検査、CTなどで、膵臓の状態を調べます。これらの検査では、膵臓の形や、膵石の有無、膵嚢胞、膵壊死、膿瘍形成などを調べることができます。通常は絶食で点滴による保存的治療を行いますが膵壊死や膿瘍形成が見られれば緊急手術を行うこともあります。
2)慢性膵炎
 慢性膵炎は長期間にわたって炎症が繰り返し起こり、膵臓の細胞が徐々に破壊されていきます。炎症が続き、膵臓の繊維化や石灰化が起こり、膵臓全体が硬くなって萎縮していく病気です。膵臓には、トリプシン、アミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素を含んだ膵液を分泌する外分泌作用と、インスリンやグルカゴンなど血糖値を調節するホルモンを分泌する内分泌作用の二つの重要な働きがあります。慢性膵炎では、この両方の機能がだんだんと低下し、全身に大きな影響を与えることになります。
 血液検査では、膵酵素や腫瘍マーカーを定期的に調べます。さらに超音波検査、CT検査などで膵臓の大きさ、膵管の拡張や膵石の有無、膵腫瘍の有無などを定期的に検査します。
 アルコール性の慢性膵炎では、禁酒が必要です。また痛みを和らげたり消化酵素を補うなど、それぞれの症状に対する投薬治療が行われます。慢性膵炎のために糖尿病を発症した場合は、インスリン注射による治療を行います。通常これらの糖尿病治療には専門病院での治療をお願いしています。
3)膵臓癌
 膵臓は胃の裏、背骨の前にあり、右側は十二指腸、左側は脾臓と一部接しています。膵臓で作られた膵液は、膵管という細い管を通って十二指腸に流れます。その管が癌化したのが膵管癌で膵臓癌の90%を占めます。膵臓癌は近年増加傾向にあり、男性に多くみられ、60歳台が発生のピークです。膵臓癌は難治性癌の代表で早期診断が難しく、外科切除術以外に有効な治療法は確立されていません。抗癌剤や放射線療法もありますが、現時点で有効性はわずかです。


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