郷土川越をこよなく愛し、日本の原風景を描き続けた鈴木森繁画伯の作品でございます。
当院と親しい御縁をいただき、啓子夫人の御厚意により季節毎の作品を展示いただいております。
画伯の人間味溢れる優しいまなざしと、自然への憧れをご鑑賞下さい。

ここ6〜7年前より、時間を作っては森繁の原風景を現実の場所に探し出し、夢中でスケッチするようになりました。「自分の情感を託せる風景に出会えることで、その絵の半分は出来たようなもの」とよく言っておりました。会話が楽しい人でした。一昨年の暮れの手術のあとも、「きっと治る、まだまだ描ける」と信じて、スケッチブックを手放しませんでした。
今回、集まった沢山の作品を改めて見ておりますと、その折々の「こんな風景の中」で絵筆を走らせる森繁の姿が重なりあいます。
十日町の雪の中、黙々と……。下里分校の桜吹雪に酔いしれながら……。荒れた日本海を前にして「今はもう秋、誰もいない海……」とハミングしながら。
そのすべての風景に溶け込むように、夢中でした。
今森繁は、描いても描いても、もっともっと描きたかった空へ向って、上昇していっているのでしょう。
最後にこの画集を作るのにあたり、多くの皆様に多大なお力添えをいただきました。森繁に代わりましてお礼を申しあげます。ほんとうにありがとうございました。
平成9年5月 鈴木啓子(鈴木画伯夫人)

| 昭和12年 | 神奈川県横須賀市に生まれる. |
| 昭和33年 | 武蔵野美術学校本科西洋画科入学. |
| 昭和37年 | 日活入社(美術デザイナー) |
| 昭和38年 | 虫プロダクション(手塚治虫)入社. |
| 昭和45年 | 川越へ転居.アニメーション美術スタジオ「じゃっく」設立. |
| 昭和60年 | この頃より全国を旅行しながら作品の製作に励む. |
| 平成9年 | 4月6日没(享年60才) |
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